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東京生まれ, ラップトップ育ち

あるラッパーの、システムエンジニア・ブログ

リアル脱出ゲーム!電算室とヒゲ剃り

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リアル脱出ゲーム!電算室とヒゲ剃り



日々の仕事の中で苦手なことっていくつありますか?

たとえば僕は、お客さんにお詫びをするのがどうも得意じゃありません。

ちょっと昔の話ですが。
プラムザに入る前で、僕がまだ25歳くらいの頃。
技術力も設計力も未熟な僕は、今から思えばまるでおかざりのようなSE稼業をやっていました。

そんな当時、担当していた金融系のシステムのリリース当日に、深刻な不具合トラブルを出してしまいました。
問題の大きさ、対応のまずさに加えて、僕の謝り方が悪かったため、先方がえらくご立腹。
なかなかどうして許してもらえず、トラブル発生から20時間もの間、先方の電算室に軟禁されたことがあります。

ときに怒鳴りながら、睨みつけては僕の監視を続ける先方のおじさま(50代なかば、大手金融重役)。正直、生きた心地がしなかったですね。

要するに僕は人質です。
会社では開発チームのみなさんが徹夜で修正作業にあたっていますが、そちらの様子はこの監獄からはうかがい知れず。

1時間毎に来る電話連絡も、
『うーん、原因がわからないなぁ』
とか
『ごめん、直している最中に別の部分にバグが出るようになっちゃってさ』
とか
『ほんとごめん、、、気づいたら寝てた。。。』
とか、泣きたくなるような内容ばかり。


そんな内容を報告しては、ただただ謝ることしかできない僕。
1時間毎にお詫びをしては怒鳴られ、の無限ループ。

(これは、、、いつ終わるんだろう)

実際、かなり参ってました。

じっと目を落とすと、僕の腕時計は日の出の時間を指してました。
電算室には窓がないのでわかりませんでしたが、どうやら外はもう朝。

それで、そりゃそうだろですが、そのおじさま、そのころにはすっかりヒゲが伸びてきてしまっていて。ちょっと機転を利かせた僕は、『階下のコンビニへ行って、髭剃り用のカミソリを買ってまいりますね!』と言って、ほんの10分ほどだけど、気を安めに外へ出ました。

(あぁ、、いつ帰れるんだろう。。。)
新春のさわやかで明るい外の光も、僕の心を明るくはしてくれませんでした。

ふらふらした足取りで電算室に戻って、おじさまに買ってきたカミソリをお渡ししました。
「ありがとう、それじゃちょっと髭をそってくるよ」

(あ、、、いま、すこし表情が和まれたな。こういう誠意の見せ方もあるのかも・・・)




・・・などとほっとしたのもつかの間。

1分後におじさま、怒りながらカムバックアゲイン。

「こ、、こ、、こ、、、!」
「え、え、な、、、なんでしょう」




「これ、女性の脇用じゃないか!!」


誰しも覚えがあると思います(ねーよ!)。


でも、これがきっかけで、結局おじさまも笑ってしまって、
「今回はもうわかったから。後日修正を完了してから、また来なさい。」
そう言ってくれました。

(ちなみにこのとき、おじさまから「建前」と「本音」についてのありがたいお話も説いていただきました。それはまた別の機会に。)




苦手なことをやるってのは、とてもしんどいです。
逆に、得意なことをやってる時は、なんとも言えない充実感に包まれたりしますよね。

だけどちょっと待って下さい。
自分で苦手と言っているほとんどのことが、あまり経験がないから、っていうのが理由だったりしませんか?


もしあなたがまだ半人前なら。
少しでも多くの苦手なことを、どんどん経験して、得意なことに変えていくべきだと思います。

仕事はきっと、しんどくなくなり、充実したものに変わっていくはずです。




さて、あれから10年以上たった今。正直、僕はいまだにお詫びが得意じゃありません。
だけど、あのころより上手になっているのは確かです。

今の僕なら、あの電算室を3時間で脱出する自信が、ありますから。
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プロフィール

HN:
G☆40(ジー・フォーティ)
性別:
男性
職業:
システムエンジニア
自己紹介:
タイトにデバッギン、そんなエビデイ

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